植え込みに高齢男性 「どうしよう…」小学生3人がとった行動は

清水大輔
【動画】「おじいちゃん、大丈夫?」下校途中の女児3人が見せた機転=清水大輔撮影
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 10月下旬の放課後、いつもの通学路を一緒に歩いていた3人の女児が歩道脇に立ちつくしている「おじいちゃん」を見つけた。「どうしようか……」。顔を見合わせた後で3人が取った行動は。

 10月26日午後4時ごろ、長野市稲田の幹線道路沿い。市立徳間小学校3年の中村結さん(8)、佐藤圭純(かすみ)さん(9)、中島希來(きら)さん(9)はおしゃべりをしながら家路へと歩いていた。すると、ドラッグストア近くの植え込みの中で、立ち止まっている高齢の男性がいた。

 「あのおじいちゃん、大丈夫かな」「どうしようか」。3人は顔を見合わせて声をかけるべきか一瞬迷った。でも「事故になったら大変かも」(中村さん)と思い、男性のもとに近寄って「大丈夫ですか」(中島さん)と声をかけた。

 男性は手押し車を手にしていたが、植え込みの中で車輪がはまって身動きできないようだった。男性の手を引き、いったん道ばたの塀の上に座ってもらった。「おうちは近いの?」「なんではまっていたの?」などと声をかけた。「疲れた」と言う男性。「家は近くにある」とも言うので、手押し車を男性の近くに移動させ、その上に座ってもらい3人で押すことにした。緩やかな上り坂。少し動かすことはできたが「子どもの力じゃまだまだできないかなと思った」(中村さん)。

 そんな時、近くを女性が通りかかった。会社員の徳武真依さん(32)。3人は思い切って助けを求めた。高齢の男性を取り囲む子どもたちの姿に驚いたが、すぐに事情がのみ込めた。徳武さんは身分証や電話番号を確認しようとしたが、要領を得なかった。「100メートルくらいで着く」と言う男性の説明を頼りにしばらく歩いたが、このままでは男性の自宅にはたどり着けないと思い、午後4時45分ごろ、110番通報をした。

 警察官が駆け付けるまで、子どもたちは男性に声をかけ続けた。警察官が手押し車のふたの中に住所が書かれているのを見つけ、午後5時半ごろ、男性は無事自宅に送り届けられた。

 16日、徳間小で児童3人と徳武さんに、長野中央署から感謝状が贈られた。その後の取材で、「同じような場面に遭遇したら」と尋ねられ佐藤さんは応えた。「また助けてあげたいです」。(清水大輔)