日本の箏演奏家と在日コリアンの歌舞団が共演 桂川町でコンサート

徳山徹
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 在日コリアンでつくる「福岡朝鮮歌舞団」(福岡県北九州市)などと日本の箏(こと)の演奏家らが共演する「筑豊アンニョンハセヨ! コンサート」が21日、桂川町住民センターで開かれる。今回で10回目。約25人が演奏と歌、踊りを披露する。実行委は「共生共助の絆を深めたい」と話す。

 「もっとこう、迫るように歌った方がいい」。飯塚市大分の明圓(えん)寺。大分哲照前住職が、歌舞団の金妙穂団長(35)や2人の歌手に日本の「早春賦」の歌い方を助言していた。「情緒ある歌ですね。春を待ちわびる感じが出せれば」。歌手の金潤基さん(32)が熱心にうなずいた。

 大分さんは地元のコーラスグループで指揮を担当。「アンニョン」で歌舞団と共演したことも。今回は参加しないが歌唱指導を引き受けた。地元の箏奏者、山川玉枝さん(73)らも同席し、リズムなどを打ち合わせた。

 「当日演奏するだけじゃない、こうして両国側が準備を重ね、コンサートを手作りしているのですよ」。実行委の占部哲生さんが説明した。

 コンサートは東日本大震災の被災者支援のために2011年秋に開かれ、コロナ禍で開けなかった昨年を除き毎年実施されてきた。会場には復興支援の募金箱が置かれる。今年のテーマはコロナ終息の願いをにじませた「春」だ。

 今回は、初回から出演してきた歌舞団に加え、九州朝鮮中高級学校(北九州市)の民族打楽器部、舞踊部なども参加。日本側は山川さんだ。朝鮮半島の童謡「コヒャンエポム 故郷の春」で開幕し、早春賦など15曲を歌って踊る。フィナーレは「筑豊の子守唄」で締めくくる。

 ただ一人、初回から参加してきた金妙穂さんは、1995年の阪神・淡路大震災で被災。北九州市に越してきて北九州朝鮮初級学校で朝鮮舞踊と出会った。「暗かった両親が私の舞踊で明るい笑顔を見せてくれた。舞踊を通してアイデンティティーを知り、友人や仲間ができ、日本人と仲良くなった」。金さんは舞踊の力を信じている。

 「互いの文化と誇りを持ち寄り尊重し合いたい。交流を続けることで、互いに理解を深めることができる」。こんな思いで参加し続けてきた。

 コンサートの入場料は大人1500円、高校生以下1千円(税込み)で当日券はない。開演は午後0時半と3時半の2回で、0時半からの入場券は完売した。問い合わせは占部さん(090・8414・3849)。(徳山徹)