オリパラのレガシーを 自転車で特徴ある街づくり 静岡・伊豆

南島信也
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 東京五輪パラリンピック自転車競技の主会場となった「日本サイクルスポーツセンター」のある静岡県伊豆市は、レガシー(遺産)創出のため工夫を凝らしたさまざまな施策を打ち出している。女子オムニアムで梶原悠未選手が銀メダルを獲得したことも追い風になり、特徴ある街づくりに自転車が大きな役割を果たしている。

 市はコロナ禍で一変した生活に自転車をもっと取り入れることを狙って、自転車購入に補助金を出すことを決めた。今年4月以降に新車を購入した市民に、上限3万円の補助金を出す。

 ところが、10月18日から受け付けを始めたところ、申請が殺到。11月16日現在で60人に交付決定済みで、計上していた150万円の予算をすでに使い切ってしまった。連日数人が申請に訪れるといい、当面は予備費で対応するという。

 さらに市が重視しているのが記憶の伝承だ。伊豆ベロドロームは有観客で開催された唯一の屋内会場だが、子どもたちが実際に会場を訪れて選手たちの活躍を観戦する「学校連携観戦プログラム」は実施されなかった。菊地豊市長は15日の記者会見で「五輪が本当に私たちのふるさとで行われたということを子どもたちに伝えていってほしい」と期待する。

 そこで、大会の記憶をつなぐ品々を市内の小中学校など10校で巡回展示することにした。出場選手のユニホーム、聖火リレーのトーチのほか、伊豆市伊豆の国市に練習と生活の拠点を置く梶原選手ら五輪出場選手のサイン、選手が使用するのと同じタイプで片手で持てるほど超軽量の自転車など貴重な品々も展示される。

 また、市職員は12月から名刺のデザインを大きく変更。5種類ある裏面のひとつを「自転車のまち伊豆市の軌跡と未来」というキャッチフレーズが印刷された五輪の競技写真に変更する。名刺交換の際に会話のきっかけとなり、市をPRしやすくなるという。

 日本サイクルスポーツセンターには、ベロドロームとマウンテンバイクコースがあり、競輪選手の養成所も隣接している。県は静岡県全体を「自転車の聖地化」することを目指している。菊地市長は「レガシーづくりは始まったばかりで、これからが大切」と話す。(南島信也)