五輪に残るためなら馬術を外す IOCの顔色うかがう近代5種

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ロンドン=遠田寛生、稲垣康介、野村周平
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 近代五輪を提唱したクーベルタン男爵が考案し、フェンシング、水泳、馬術、射撃、ランニングの5種目で競い「キング・オブ・スポーツ」の異名を持つ近代5種から、馬術がなくなる。五輪初採用から110年近い歴史があるが、東京オリンピック(五輪)で選手やコーチの振る舞いが「動物虐待」と批判を浴びたこともあり、五輪競技に生き残るために見直しを余儀なくされた。

 国際近代5種連合(UIPM)は4日、馬術を除外し、代替競技はテレビ映えはもちろん、国際オリンピック委員会(IOC)が求める持続可能性やレガシーの方針に沿って決めると発表した。マーケティング関係者や報道陣など外部の意見も参考にするという。新しい近代5種は、五輪では2028年ロサンゼルス大会から実施される。

 馬術除外のきっかけは東京五輪だった。女子の試合でドイツのアニカ・シュロイの指示を馬が聞かず、幾つかの障害を跳ばなかった。シュロイが馬を操ろうと泣きながらムチでたたいた行動が、SNSで議論を巻き起こした。

 それ以上に波紋を呼んだのが、ドイツ代表コーチ、キム・ライズナー氏の振る舞いだ。落ち着かない馬を制御しようと馬を拳でたたく姿が中継映像で流れた。 これに対し、「動物虐待」と非難する声が相次いだ。米国の動物愛護団体が五輪競技から馬術を外すよう要求するなどした。

 ブランドイメージを損なったUIPMは、こうした批判を受け止めた。IOCの前副会長(現在は委員)で、UIPM副会長のサマランチ・ジュニア氏は「24年パリ大会以降も、正式競技の座が確約されていると思っていたら過ちを犯すことになる。新しい競技が勢いを示して人々やメディアをわかせたことから、我々も新しい環境で完璧な状態にしなければならない」とコメントした。

 背景には、近代5種など財政…

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