生理、体重、年齢イジり 悩むアイドルに「保健体育」教える振付師

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聞き手・稲垣直人
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 「アイドル戦国時代」と言われるようになって約10年が経ったいま、とくに女性アイドルの心身に過酷な負担がかかっているケースがあると言われます。生理、体重管理、そんな体の問題から生じる心の問題――。そうした実情に対応し、周囲のスタッフたちのケア態勢、アイドル本人への性教育も必要だと訴えるのが、芸能界の振付師として12年のキャリアをもつ竹中夏海さんです。今秋、「アイドル保健体育」という著書も出版した竹中さんに話を聞きました。

 ――女性アイドルの体と心のケア体制の改善が必要だと思った発端は何だったのですか。

 「約5年前のことです。私自身、重い生理の症状を軽減するため、低用量ピルを婦人科に処方してもらって、服用していました。職業柄、体が動かないと仕事にならないためです。ある教え子のアイドルにそのことを何げなく話したところ、その話が口コミで広がり、私が担当していない女性アイドルたちからも『その話、教えて下さい!』といった質問、相談が私のLINEに殺到したんです。一般の女性でも、学校の体育祭、期末試験、受験などに生理が重なってしまったら……と不安なものですが、女性アイドルの場合、ダンスで体を激しく動かすライブ、水着撮影の仕事などに重なったらどうしよう、という不安があります。私はこのとき、自分の体調について相談できる態勢が彼女たちに整っていないのでは……というそれまでの予感が実感に変わりました」

 ――竹中さんの著書を読むまで、私も低用量ピルについての知識が全くありませんでした。

 「ここ1、2年で浸透してきたのではないでしょうか。経血の量を減らしたり、生理前の心身の不調をきたすPMS(月経前症候群)などの症状を軽くしたりする薬です。単にピルと聞くと、『妊娠しにくくなる』といった誤ったイメージを抱く人がいるのですが、違います」

 ――この問題の背景には、近年のアイドルを演出するステージ上の技術の進歩、時代の変化も関係していると指摘していますね。

 「ええ。昭和期のアイドルは…

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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2021年11月23日16時12分 投稿

    【視点】15~24歳の女の子2000人に対して生理に関する意識調査を行った国際NGOプラン・インターナショナルの報告書では、回答者の約6割が初潮を迎えたときや生理をめぐる相談相手を「母親」と回答し、学校や専門家を挙げる人はほとんどいないというデータ