第71回【新聞と戦争・アーカイブ】イベントは過熱する:3

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【2007年6月7日夕刊2面】

 「聖戦へ 民一億の 体当(たいあた)り」

 「国が第一 私は第二」

 「贅沢(ぜいたく)は敵だ」

 1941年に刊行された情報局第五部編『国策標語年鑑』に載った標語だ。同年鑑の43年度版が01年に新編集で復刻された。その本を監修した前坂俊之(63)は「まるで、言葉の弾丸、爆弾であり、言葉の兵器そのもの」と形容した。

 募集、選考、発表と関心を高める標語募集は、平時でもキャンペーンの有力な一手法だ。

 「我等(われら)の求めていた普選は遂(つい)に来た」

 そんな書き出しで、普通選挙の標語を朝日新聞社が募集したのは、1927年のこと。「読者の熱狂的共鳴を博し」、応募数は7万3千余。1等には「清い一票、明るい日本」が当選したと、27年9月1日付の紙面で大々的に報じている。

 大正デモクラシーの中で、普通選挙、軍備縮小を主張してきた朝日新聞としては、実現した全国的普選を、ぜひ成功させたかったのだろう。

 だが、満州事変を機に、朝日…

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