第74回【新聞と戦争・アーカイブ】イベントは過熱する:6

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【2007年6月12日夕刊3面】

 「父よ あなたは強かつた 兜(かぶと)も焦がす炎熱を 敵の屍(かばね)と共に寝て 泥水すすり草を噛(か)み」

 1938年、朝日新聞が募った「皇軍将士に感謝の歌」の入選作だ。翌年、「父よあなたは強かつた」がレコードになって発売されると、3カ月半で50万枚近いヒットとなったという。

 作詞は32歳の主婦、福田節。前年に、おいが戦死し、別のおいも出征していた。

 「肉親を兵隊さんにもつている気もちから最初に強く頭に浮(うか)んだのが各句の最初にある“父よ、夫よ、兄よ、弟よ”といふ言葉でした」。当時、福田は創作の動機を、記者にそう語っている。

 朝日は、戦地で愛唱される様子を繰り返し記事にして、歌のブームをあおった。

 42年5月、ニューギニア沖…

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