第3回何でも対応…「私たちはコンビニ」 気持ちの糸が切れた保護者の一言
午後7時すぎ、東海地方の中学校で、職員室の電話が鳴った。
「兄弟げんかをしているから、止めてほしい」
30代の女性教員が受けたのは、保護者からのそんな電話だった。
管理職に相談すると、「行ってあげて」と言われた。
生徒の自宅に急行し、兄弟をなだめて学校に戻った。そして、また残っていた仕事を再開した。
こうした「呼び出し」は珍しいことではない。
生徒の万引きが発覚して、店から迎えに来るよう言われる。
SNSで生徒間のトラブルが発生したからと、生徒たちに聞き取りに行く。
夕方の退勤時間後に対応することもある。
同じ学年の同僚教員が向かう場合は、戻ってくるまで帰れないこともある。それが暗黙の了解だからだ。
「私たちはコンビニだからね」
同僚たちとそう自嘲することもある。
教員は24時間対応する便利な存在――。生徒や保護者から、そう思われているのでは、と感じる。
いつからか、学校に対して過度な要求をする親が「モンスターペアレンツ」と呼ばれるようになった。
自身も、保護者の要求は年々大きくなっていると思う。
ある時、不登校傾向だった中3の生徒の保護者から、他の生徒がいない早朝に登校をさせたいと頼まれた。
保護者の依頼に応え続けてきた女性教員ですが、「もう限界」と感じる出来事がありました。新人教員が辞めることもあり、働く環境の改善を訴えます。
生徒への発言、ノートに記録
保護者の仕事の都合で、登校…
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- 【視点】
「今の教員の働き方では、いい子、まじめな子ほどつぶれる」。 私も似たような言葉を現役校長から聞いたことがあります。時代の変化もあるようです。 「私たちが教師になったころより、優秀な新人が多いんです。指導方法も勉強していますし、子どもの扱
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