「エスカレーター」飛び降り馬の背に 18歳女性騎手、新人記録続々

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内田快
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スポーツ好奇心

 地方競馬に新星が現れた。兵庫県競馬組合で初の女性騎手として4月にデビューした佐々木世麗(せれい)だ。強気のレースが持ち味の18歳は、9月に兵庫の男女通じた新人最多勝利数を45に更新。勢いは止まらず、11月10日には地方競馬の女性騎手の新人最多勝利数まで塗り替える67勝目を挙げた。

「前行って、なんぼ」

 3日、佐々木は園田競馬場(兵庫県尼崎市)で開催された7レースのうち4レースに騎乗した。

 9頭が出走した第6レースでは、最後の直線で抜け出し、4番人気の馬を勝利に導いた。この日は1着1回、2着2回、12着が1回だった。

 場内で馬券を握りしめて、佐々木を応援していた男性会社員(27)は、「人気のない馬だろうと押し切ってやろうという気迫がある。園田どころか、日本を代表するような騎手になっていってほしい」と語った。

 騎乗数が多いのは、期待の表れでもある。

 佐々木が得意とするのは、「先行」や「逃げ」だ。

 身長149センチと騎手の中でもひときわ小柄だが、スタート直後に手綱を動かして馬に気合をつける様は迫力たっぷり。

 「園田は小回りで後ろからは追い抜きにくく、前につける馬が最後まで残りやすい。前に行ってなんぼ」と強気に言う。

 実際、先輩騎手に嫌な顔をされても一歩も引かず、ポジションを奪いに行く。

「何やっとん?」

 広島市出身。小学校のころは落語教室に通い、はなし家を志していただけあって、相手を笑わせるのはお手のもの。

 「名前は世の中をうるおすという意味合いで付けられたんですけど、麗はうるわしいとしか読めないですよね。ちょっと漢字が違ったみたい」

 明るい性格で関西での生活にもすっかりなじんでいるようだ。

 小さい頃から動物と接することが大好きだった。馬との出会いは乗馬クラブに通い始めた広島新庄中2年のとき。「馬に乗ることを仕事にしてみたくなった」

 友人からは「何やっとん?」と心配されたが、中高一貫校というエスカレーターから飛び降りた。広島新庄高には進まず、2019年春に騎手を養成する地方競馬教養センター(栃木県)に入った。

 兵庫県競馬組合に進んだのは…

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