大型車のタイヤ脱落、10年で12倍 95%が歩道に近い「左後輪」

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畑宗太郎、磯部征紀、伊藤嘉孝
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 大型トラックやバスのタイヤが走行中に外れる事故が後を絶たない。10年間で約12倍に急増し、昨年度は過去最多の131件。特に冬が多かった。外れるタイヤの95%は「左後輪」だ。歩道に近い側ばかりが外れる危険な状況だが、確たる理由はわかっていない。(畑宗太郎、磯部征紀、伊藤嘉孝)

 大型車のタイヤは重さ100キロ、直径1メートルにもなり、歩行者や周囲の車にぶつかれば命に関わる。2002年には横浜市で、部品の欠陥によってトレーラーのタイヤが外れて母子3人が死傷する事故が起き、社会問題になった。

 それ以降、国土交通省が04年度から、8トン以上のトラックと定員30人以上のバスで起きたタイヤ脱落事故の集計を公表している。これによると、事故はいったん減ったが、11年度(11件)を底に増加に転じ、昨年度は131件。人身事故はなかったものの、過去最多を更新した。直近4年間でも約2倍に急増した。

 発生は冬に集中。昨年度は3分の2が11~2月の4カ月に起きた。地域別では東北43件と北海道19件で半数近くを占め、北信越18件▽関東17件▽中部、中国各12件▽近畿5件▽九州3件▽四国2件などと続いた。

 こういった傾向から、国交省は冬用タイヤへの交換作業に原因があるとみている。交換の際のナットの締め付けが足りなかったり、100キロ程度走行後に再び締め付けを行う「増し締め」の作業を怠ったりしたことが脱落につながっている恐れがあるという。

 ただ、冬用への交換は以前から行われており、近年の急増の理由として、これだけでは説明がつきづらい。国交省の担当者は「スリップ防止対策で融雪剤の散布が増えていることも一因では」と推測。融雪剤に含まれる塩化カルシウムでホイールなどの腐食が起き、結合部の緩みにつながる可能性があるという。

取り付け方?人手不足?

 要因のひとつではないかと業界で指摘が出始めているのが、ホイールの取り付け方の変更だ。

 国産の大型トラックは10年…

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