軽石、今後どうなる? 気泡に水入れば沈むが…噴火は明治以降最大級

山野拓郎
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 小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」から噴出した軽石が、沖縄県などに押し寄せて被害が出ている。海を漂う軽石は今後どうなるのか。火山に詳しい研究者に聞いた。

 福徳岡ノ場の噴火が確認されたのは8月13日。産業技術総合研究所によると、噴煙は16~19キロほどまで上がり、成層圏に達した。1914年の桜島大正噴火に次ぐ規模で、明治以降の国内で最大級の噴火だった。

 爆発的に大量の噴出物をまき散らす「プリニー式」と呼ばれる噴火で、軽石や火山灰など1億~5億立方メートルが噴出したとみられる。マグマは地下深くから一気に上がって温度や圧力が急低下し、「まるで炭酸飲料の栓を抜いたように」泡立った。そのまま冷えて固まると、ガスが抜けた跡が気泡として残り、多くの穴があって密度が小さく、水に浮く軽石になった。

 今回の軽石はナトリウムやカリウムが多く含まれ、アルカリ岩の一種の粗面岩という種類という。

 軽石は、海を漂ううちに割れたり、こすれ合って小さくなったりする。今は海面を漂っているが、小さくなる場合のほか、気泡に水が入ったり、海洋生物が付着したりして重くなると海に沈むとみられる。ただ、どれくらいがいつごろ沈むかは形状にもよるため、予測は難しいという。

 福徳岡ノ場は1904~05年、14年、86年にも噴火し、一時、新島ができた。24年に西表島近くの海底火山が噴火した際にも大量の軽石が噴出した。52年には伊豆諸島の海底火山「明神礁」が噴火し、海上保安庁の観測船が巻き込まれて31人が殉職した例もある。

 産総研火山活動研究グループの及川輝樹・主任研究員(火山地質学)は「近年は大きな噴火がなかったが、それこそがたまたまで、大量の軽石をまき散らす噴火は今後も起こる可能性がある。漂流する軽石を監視し、注意喚起のための警報を出すような体制作りが必要ではないか」と話す。(山野拓郎)