選考会の夜、突然の電話 澤田瞳子さんの推す「寂聴さんの1冊」

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上原佳久
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 11月9日に亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんは生前、「命がある限り書く」と語っていました。残した著作は400冊以上。その中から、ゆかりのあった作家、澤田瞳子さんが選ぶ「寂聴さんの1冊」をお届けします。

 歴史に興味のあった中学生のころに読んだ「祇園女御」を推したいと思います。平安時代の末期、白河法皇の寵愛(ちょうあい)を受けた祇園女御をはじめとする女たちの愛をめぐる物語です。

 本を開けばすぐに王朝絵巻が始まるかと思いきや、まず出て来るのは瀬戸内先生を思わせる語り手です。祇園女御について書かれた「ぬばたま日記」という架空の和本を手にした経緯が語られ、その前口上の後に、さーっと舞台の幕が上がる見事な構成です。

 文物調度の考証が難しい時代…

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