赤木さん「改ざんという言葉なくがっかり」 黒塗り文書の一転開示

森下裕介、米田優人
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 学校法人森友学園大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざんに関与させられ、自死した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54)の公務災害認定に関する文書について、大半を黒塗りにして開示していなかった人事院が一転して、妻・雅子さん(50)に開示した。雅子さんの代理人弁護士が17日、明らかにした。開示は8日付。

 人事院は2019年、死亡直前の業務内容など文書の大半を黒塗りにし、具体的な理由を説明せずに大半を不開示とした。不服とした雅子さんが審査請求したところ、総務省の情報公開・個人情報保護審査会が今年9月、不開示の根拠の記載が「皆無で違法」と指摘したため、人事院が決定を取り消していた。

 開示文書によると、俊夫さんは国会からの資料要求や行政文書の開示請求の対応、上級官庁との連絡調整や指示事項への対応業務などに追われ、17年7月にうつ病と診断された。財務省の調査報告書によれば、上級官庁の同省幹部が近財局側に改ざんを指示していた。

 ただ、今回の開示文書には、公文書の「改ざん」や「書き換え」といった記載はなかった。雅子さんの代理人の生越照幸弁護士は「こんな形で文書を出すのであれば、最初から出すべきだった。非常に恣意(しい)的な取り扱いがなされた」と国の対応を批判。雅子さんも「夫は改ざんを苦に亡くなったのに、改ざんという言葉はひとつもなく、がっかりした。なぜ改ざんしなければならなかったのか、理由を知りたい」と話した。

 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「どんな事実を認定して公務災害を認めたかは、遺族に当然開示されるべき情報だ。それを人事院がここまで引っ張ったこと自体が問題。行政側は『開示できるものはする』という姿勢で臨むべきだ」と指摘した。(森下裕介、米田優人)