EU、5千人規模の「即応部隊」づくりへ 危機時に迅速に対応

ブリュッセル=青田秀樹
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 欧州連合(EU)が、危機時に最大5千人規模を展開できる「即応部隊」を設ける議論を始めた。米国主導のアフガニスタン撤退が招いた混乱などを踏まえ、EU内では外交・安全保障での自立志向が強まっている。有志国が機動的に動ける態勢を整える狙いだ。

 ボレル外交安全保障上級代表が15、16日の外務、防衛分野のEU理事会で、2030年ごろまでの安保政策の指針となる「戦略的コンパス」案を提示した。来春の正式決定を目ざす。

 陸海空の即応部隊は、人命救助や退避、治安の安定などを担い、25年の完全運用に向けて23年に訓練を始める計画だ。中東や北アフリカなど近隣地域を、主な活動地域に想定する。EUには同様の役割を持つ「バトルグループ」の仕組みがあるが、機能していない。今回は、全会一致の原則を守りつつ「建設的棄権」などの方法を使って、意思決定を柔軟に、迅速にしていくという。

 「コンパス」の草案は、サイバー空間なども含めて複雑化する脅威への対処能力を高める必要性を強調している。米国への依存度が高い北大西洋条約機構(NATO)との関係についてボレル氏は記者会見で、「役割に重複はなく、補完する関係だ」と説明した。また、「移民・難民が武器として使われているベラルーシ国境のような事態にも対応できるようにしていく」とした。(ブリュッセル=青田秀樹)