照ノ富士は強いけど…先行き心配な角界 親方デビューの白鵬楽しみ

鈴木健輔
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 元横綱白鵬間垣親方として本場所デビューした。会場の警備にあたったり、ファンと交流したり。「すべてが新鮮。親方になったんだ」と笑顔が絶えない。

 優勝45度を誇った第一人者がどんな力士を育てるか。同時に楽しみなのは、角界入りを志す若者をどれだけ増やしてくれるかだ。

 この九州場所の新弟子は5人で今年、角界に新たに入ったのは61人だった。新型コロナウイルスの影響でスカウト活動が難しい面はあるだろうが、年6場所制となった1958年以降で3番目に少なかった。

 今年以下だったのは、八百長問題が発覚した2011年の60人と、翌12年の56人。大相撲の信頼が揺らぎ、力士になるのを断念した若者もいた時期だ。横綱稀勢の里が誕生した17年に90人台まで盛り返したものの、再び下降線をたどる。

 「若貴ブーム」に沸いた1990年代、力士数は900人台だったが、近年は700人を割っている。

 今年に限れば、1月の初場所で665人だったのが、この九州場所は635人。角界ピラミッドの頂点には照ノ富士という強い横綱がいても、足元が細っている。

 元稀勢の里の荒磯親方が今年、部屋をおこし、弟子集めを本格化させた。いまは宮城野部屋付きの間垣親方にも独立の夢がある。

 現役時代から幕内石浦、十両炎鵬らの指導にあたり、相撲強豪校とのパイプも築きつつある。長く少年相撲の国際大会を主宰してきた実績も生かせるはずだ。

 引退はしても、大横綱のカリスマ性で角界を引っ張ってほしい。(鈴木健輔)