スーパーの廃棄食材を動物のえさに 珍しい食べ物でストレスの軽減も

堀之内健史
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 大阪府吹田市エキスポシティにある、生きているミュージアム「NIFREL(ニフレル)」と、そばにあるスーパー「デイリーカナートイズミヤ」が、廃棄食材を動物のえさとして活用する取り組みを続けている。食材を有効利用できる上、普段口にする機会のない野菜や果物は、動物たちの刺激になっているという。

 10月初旬、デイリーカナートイズミヤから、かごいっぱいの食べ物を入れたカートを引いた男性が出てきた。200メートルほど先のニフレルまで運び、えさを調理する部屋で中身を広げた。

 男性はニフレル展示企画チームの松浦一輝さん。マスカットを取り上げると、「いつも取り合いになるんです」と笑みがこぼれた。他にも小松菜やブロッコリー、レタスなどの野菜、柿やみかんといった果物計6・4キロが詰められていた。

 食べ物はデイリーカナートイズミヤからえさとして無償提供を受けている。いずれも房から外れてしまったものや、加工の過程で取り除かれた部分などで、食べるには問題はないものだという。

 細かく切ったマスカットや野菜をバケツに入れて向かったのは、動物たちが放し飼いになっているエリア。我先にと群がってきたワオキツネザルや、後ろで物欲しそうに見つめるクジャク、最初は興味を示さなかったカピバラにも順に与えていった。松浦さんは「普段は食べない形や味の食材が含まれるので、食べ方も普段と違い、刺激になっている」と話す。

 取り組みはニフレル側の提案にデイリーカナートイズミヤが快諾し、昨年の秋に始まった。週3回、ニフレルの職員が徒歩でスーパーに取りに行く。初めて与える食材は獣医師が成分を調べ、食べられるかどうかを判断している。

 デイリーカナートイズミヤの担当者は「これまで廃棄していたものが食べてもらえて役立ち、喜びを感じる」。提供される廃棄食材は毎回異なり、マスカットのほか、ミニトマトやスイカ、冬瓜(とうがん)など、普段のえさには含まれない食べ物も多い。動物にとって珍しい食べ物は、刺激になりストレスの軽減につながるという。

 飼育動物の生活環境を豊かにする「環境エンリッチメント」という取り組みの一環で、松浦さんは「すぐそばのスーパーとだからできる取り組みではあるが、可能なら回数を増やすなど協力を広げながら、今後も継続していきたい」と話す。(堀之内健史)