JR高松駅の「連絡船うどん」が11月末に閉店へ 20年の歴史に幕

福家司
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 【香川】JR高松駅(高松市浜ノ町)構内にある「連絡船うどん店」が、30日に閉店する。かつて瀬戸内海を運航していた宇高連絡船にあったうどん売店をイメージした店舗で、駅を利用する旅行者らに親しまれてきたが、新たな駅ビルの建設に伴い20年の歴史に幕を閉じる。

 高松と宇野(岡山県)を結んでいた宇高連絡船(1988年廃止)の4隻には、甲板上にうどん売店があった。かつて連絡船の船員を務めていたJR社員の新延秀信さん(64)は「お盆や年末の下り便では、高松に入港するころまで行列が消えないほどの人気だった。船室より、甲板で食べたほうがうまかった」と懐かしむ。

 さぬきうどんブームを描いた映画「UDON」(2006年)では、地元客にとっては四国から出て行く時や帰ってきた時の「あいさつ代わり」のうどんだったというエピソードが取り上げられている。

 「連絡船うどん店」は、宇高連絡船廃止から13年後の2001年5月、4代目高松駅舎の開業と同時に、高松駅弁(現、ステーションクリエイト東四国)がオープン。14年からはJR四国関連企業のめりけんやが運営を引き継ぎ、高松駅の改札内では、唯一のうどん店となっている。

 屋内に立食(カウンター)の20席、屋外にもテーブル席があり、改札外からも利用できる。宇高連絡船4隻の写真や元船長の切り絵なども飾られている。東京からの寝台特急「サンライズ瀬戸」の到着に合わせて朝は7時20分から営業していた。

 しかし、コロナ禍による駅利用客の激減に伴い、今年1月から長期休業を余儀なくされた。10月1日に四国デスティネーションキャンペーンに合わせて9カ月ぶりに営業を再開(午後2時20分まで、水曜定休)したばかりだが、駅舎に隣接して新たな駅ビルの建設が決まり、うどん店も建設用地に含まれることから閉店することになった。

 10月末に訪れた横浜市の会社社長岩村和己さん(49)は「列車を降りてすぐ近くにあり、雰囲気がよく、うどんも関東とは異なるだしがおいしいので、高松に来たときはよく立ち寄っていました。最後に利用できてよかった」と閉店を惜しんでいた。

 閉店までの利用客には、系列の「めりけんや高松駅前店」のうどんを1杯50円割り引くクーポン券(5枚つづり、12月~来年1月有効)をプレゼントするほか、最終日には閉店終了式も開くという。(福家司)