自動車部品の技術で「コオロギスナック」 畑違い分野に進出した訳は

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近藤郷平
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 トヨタ自動車系の部品メーカーのファインシンターが、今年から昆虫食事業に参入した。昆虫を使った食材をつくっている。自動車業界は「100年に1度の大変革期」に入り、今までの延長線では生き残れないといわれている。でも、なぜ昆虫食?

ファインシンター

トヨタ自動車が約2割を出資。1950年設立。本社は愛知県春日井市。エンジンや変速機の部品、振動を抑える部品のほか、新幹線のブレーキに使う摩擦材料、手術台や歯科用の椅子を動かす油圧機器を手がける。2022年3月期の売上高は380億円を見込む。

 手がけた昆虫食の第一弾は「コオロギスナック」。愛らしいコオロギのイラストとともに「たんぱく質豊富で焙煎(ばいせん)仕立て」と書いた包装が目をひく。中に入っているのは、500円玉より少し大きいせんべいだ。原材料は、米やコンソメパウダー、しょうゆなどのほか、エビに似た風味が特徴とされる国産コオロギの粉末が含まれている。

 東京の食品メーカーの協力を得てつくった商品で、ファインシンターがコオロギを粉末に加工する。コロナ禍でのおうち時間を念頭に「ビールのおつまみにぴったり」な濃厚な味にしたという。

 一般販売はしていないが、6~10月まで本社がある愛知県春日井市のふるさと納税の返礼品に採用されていた。

 第二弾として即席めんの商品づくりにも着手している。販売やPRの戦略も練っているところだ。

 畑違いの分野に進出したのは、なぜなのか。

 電動化や自動運転をめぐる競…

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