サッカーW杯、代表戦が盛り上がらない 物足りなさの理由はどこに
ワールドカップ(W杯)出場へ向けて苦闘が続き、国民的な関心事だった最終予選が今回は盛り上がりを欠くとの声も。そんなサッカー日本代表の「現在地」について、考えてみた。
「日本でのサッカー人気に陰りがあるとは思わない」 Jリーグ名誉マネージャーの佐藤美希さん
誰しもがこのまま同点で延長戦になると思っていたのではないでしょうか。そこから10秒ちょっとで3失点目。私も放心状態でした。2018年のW杯ロシア大会決勝トーナメント1回戦の日本代表対ベルギー代表の試合のことです。2―3で敗れベスト8進出はなりませんでした。
私が初めてしっかり見たW杯で、一番印象に残った試合です。日本は強いと思いました。でも、世界大会になると上には上がいることや、個人のプレーのレベルの高さも知りました。あのW杯は、日本代表戦があるたびに盛り上がり、みんな4年後も期待したと思います。
いま、日本代表戦が盛り上がっているかどうかですか? 確かにアウェー戦の地上波での中継がなくなり、結果も思わしくないので、盛り上がりに欠けているかもしれません。日本で五輪が開かれ、24歳以下の日本代表が注目されていたことも影響しているのではないでしょうか。
佐藤さんは、日本代表戦が盛り上がりに欠ける要因にサッカー好きの人たちを取り巻く環境の変化を挙げます。続いて、記事後半では広島経済大教授の濱口博行さんが放映権料などのサッカーマネーについてを語り、社会学者の鈴木謙介さんが社会心理学の視点からW杯の熱狂について分析します。
6大会連続で出場していて…
【視点】 お三方の見方に説得力があります。加えて、グローバル化に伴い、アウェー戦について「代表が敵地に乗り込む」という感覚が薄れてきたこともあるのではないかと感じます。 自分が担当して代表チームに同行していった試合も含め、以前のアジア予選は、文