欽ちゃん80歳 温かい笑い健在(笑ってる場合かヒゲ 水曜どうでしょう的思考)
藤村忠寿(HTB「水曜どうでしょう」チーフディレクター)
このコラムがスタートして7年ほど経ちましたでしょうか。その最初のころ、萩本欽一さんに初めてお会いしたときの話を書きました。
日本のバラエティー番組を作り出し、牽引(けんいん)してきた欽ちゃん。いつしかテレビから遠ざかっていった欽ちゃん。そんな欽ちゃんに「最近テレビで面白いことをやっている人がいるから会ってみませんか」と、ある方が私を紹介してくれました。
場所は東京・青山のスペイン料理屋。「とにかく対面したら萩本さん、ではなく遠慮なく欽ちゃん、と呼んでください」と言われました。それが本人の希望で、かしこまった付き合いが嫌いなんですね。「いやいや! いきなり初対面の大御所に、ちゃん付けは無理でしょ!」と緊張しながら待っていると、お店のドアが開き、欽ちゃんが一人でふらっと入ってきました。その姿がまさに「欽ちゃん」そのもので、私は思わず「あー欽ちゃん!」と呼んでいました。それから5時間、欽ちゃんはテレビのこと、笑いのことをしゃべり続け、盛り上がりすぎて「もう少しお静かに」と、お店の方に注意されるほどでした。
その後、北海道で欽ちゃんを…