• アピタル

「第5波」なぜ消えた 仮説色々…ワクチン以外に有力候補は?

有料会員記事新型コロナウイルス

阿部彰芳
[PR]

 人出が増え、飲食店に活気が戻ってきた。緊急事態宣言の解除から1カ月半。懸念されたリバウンド(感染の再拡大)は、まだ見られていない。あれほど猛威をふるった新型コロナウイルスの「第5波」は、なぜ消えたのか。

 「驚きのサクセスストーリー」と、海外メディアも日本の状況に注目している(https://www.theguardian.com/world/2021/oct/13/back-from-the-brink-how-japan-became-a-surprise-covid-success-story別ウインドウで開きます)。

今がワクチン効果最大

 7日間平均で見た1日の新規感染者数は、8月下旬に2万3千人を超えた。だが、宣言解除の10月1日に1802人、今は170人以下だ。東京都は1日20人程度で下げ止まってはいるが、解除から1カ月ほどで再宣言となった今春とは雲泥の差だ。

 国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長は「ワクチンでほぼすべて説明がつくと考えている」という。

 新規感染者数のピークは8月下旬だった。だが、感染した推定日を基準に全国の実効再生産数を見ると、7月下旬に1.5程度になったのを境に下がり始め、8月19日ごろには1を下回った。実効再生産数は、感染者1人が平均何人に感染を広げているかを示し、1未満になれば、感染が収束に向かうことを意味する。

 「もともと基本的な感染対策を守る人が多い状況で、感染拡大の中心となる20~40代の接種が7月以降に一気に進み、急激な感染数の減少につながった」とみる。

 「日本は欧米よりも接種のスタートが遅かったが、この半年に一気に打つミラクルを達成した。発症あるいは感染を防ぐ効果がまだ高い状態を維持できている」

 ただ、「今はワクチンの効果が最大限出て、日本が一番守られている状況だ」とも強調する。

 米ファイザー製ワクチン臨床試験では、2回目接種から2カ月以内の発症を防ぐ効果は96.2%だった。2~4カ月でもまだ90.1%あった(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2110345別ウインドウで開きます)。しかし、4カ月以上たつと、83.7%に落ちていた。

国民の88%が接種しても

 9月5日までのファイザー製ワクチンのデータを分析したカタールからの報告は、より厳しい内容だ(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2114114別ウインドウで開きます)。

 2回目接種から4カ月後の発症を防ぐ効果は57.0%。5カ月以上たつと、効果はほとんど期待できない値だ。無症状の感染を防ぐ効果も1カ月後がピークの73.1%で、4カ月以降はほぼ消失していた。

この記事は有料会員記事です。残り3569文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[記事一覧へ]