「日本人だからと区別しない」 エンゼルスの監督が語る大谷と多様性

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ヘイズルトン〈ペンシルベニア州〉=大島隆
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 大谷翔平選手が所属する大リーグ・エンゼルスのジョー・マドン監督には、日本で知られていない一面がある。生まれ故郷のペンシルベニア州ヘイズルトンで、移民の子供らを支援する活動を続けているのだ。人口が減り続けた町には近年、ヒスパニックの移民が急増して人口も増加に転じたが、古くからの住民の中には反感も生まれた。故郷の町の断絶を心配したマドン監督らは、10年前にNGO「ヘイズルトン・インテグレーション(統合)プロジェクト」を立ち上げた。監督としての経験も踏まえ、「多様性は強みだ」と語るマドン監督に、活動への思いを聞いた。

 ――生まれ故郷で移民を支援する活動を始めた動機は何だったのでしょうか。

 「私の幼少期は、ここは子供が育つには最高の場所でした。しかし、2000年代に戻ってきたとき、そうした場所ではなくなっていました。それが、私たちが「ヘイズルトン・インテグレーション・プロジェクト」を立ち上げた理由です」

 「元々住んでいた人たちと、新たにやってきた人たちの間には深い断絶がありました。ヨーロッパからやってきた古い移民と、主にドミニカ共和国からやってきた新しい移民です。新しい移民が来たことと、私たちの先祖が来たことは何も変わりません。同じ歴史を繰り返しているだけです。彼らはこの町を救う存在なのに、遠ざけようとしてきたのです」

 ――大リーグの監督として、異なる国や文化の選手をまとめる経験は、自分自身の考え方に影響していますか。

 「もちろんです。私の選手生活で最初のルームメートはプエルトリコ出身でした。英語があまり話せなかったので、私たちは英語とスペイン語を互いに教え合いました。私は多様な文化に接することや、新しい人と会うことが好きなのです。私はほかの人から学ぼうとします。それがおもしろいからです。多様性を拒絶するというのは、私には理解できないことです」

 ――多様性は強みになるか弱みになるか、その両方か、どちらだと思いますか。

 「多様性は間違いなく強みです。人間には、自分と同じような外見や考え方の人にひかれる面があるのは事実です。しかし、自分とは違う所からやってきた人が加わることが、私にとってはおもしろいのです。多様な考え方や哲学を持った人がいて、彼らを理解しようとしたり、何かを吸収しようとしたりすることは、グループ全体を強くします。異なる人たちを排除し、同じ考えの人たちばかりになったら向上しないのです」

 ――多様性という面で大谷選手がチームにもたらしたものはありますか。

 「彼は非常に才能があり、技…

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