アパレル注目の新サービス「どんな服も真っ黒に」 実は京都の職人技

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大貫聡子
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 着慣れた服を真っ黒に染め直し、真新しいファッションアイテムとして生まれ変わらせるサービスが、アパレル業界で注目されている。一役買っているのは、京都の職人たち。江戸時代から培ってきた礼服の黒染め技術が、着物離れと言われる現代でも引っ張りだこだ。(大貫聡子)

 伊勢丹新宿店は今年3月、服を売らない新サービス「KUROZOME REWEAR」(黒染めリウェア)を始めた。

 汚れたり色あせたりした洋服を宅配便で送ると、約1カ月半できれいな黒に染め直し、届けてくれる。綿のTシャツなら税込み2750円、ロングコートで同9900円から。

 「色が年齢に合わなくなっていたお気に入りを再び着られてうれしい、といった声をいただいています」

 そう話すのは、婦人服売り場「リ・スタイル」のバイヤー、神谷将太さん(35)。世界中の旬のブランドを集め、売り場で展開するのが仕事だが「毎シーズン、売って終わり。もっと長い時間軸で服やお客様と関わりたい」と考え、このサービスを提案した。神谷さんは「百貨店に来ていただくには、トレンドを追うだけでなく、修繕など様々な接点を作って継続的な関係を築いていくことが大切」と言う。

 通販大手「フェリシモ」も10月から同様の染め変えサービス「クロニクル」を開始。黒染めを前提とした商品の販売も検討中だ。

 両社とタッグを組んで、黒染めを請け負っているのは、京都市中京区の京都紋付。1915(大正4)年の創業以来、和服用の布地の黒染めだけに取り組んできた老舗企業だ。

 黒は古くから衣服の色に用いられ、古事記にも関連の記述がある。約1千年間、日本の都だった京都には「京黒紋付染」と呼ばれる伝統的な黒染め技法が伝承され、同社もその技術を持つ。

 だが、着物離れにともなって需要は低迷。4代目の荒川徹さん(63)によると、かつて年12万反あった同社の注文は今は年1200反ほどに。深い黒を求めて先代らが改良を重ねてきた技術を、どうしたら発展させていけるのか。試行錯誤の末に選んだ道が、洋服の黒染めだった。

 平板で染めやすい和服用の反…

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