木曽駒ケ岳で若鳥が飛び立った ヘリ移送のライチョウ家族から巣立つ

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近藤幸夫
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現場へ! 神の鳥ライチョウ③

 「初めての就職。右も左もわからない。大丈夫だろうか?」

 2020年4月、環境省信越自然環境事務所(長野市)に採用された小林篤(34)は不安にさいなまれた。業務の中心は、半世紀前に絶滅したとされる中央アルプスで、環境省が進める「ライチョウ復活作戦」。これまでは、信州大大学院時代の恩師、中村浩志(74)と一緒に復活作戦の現場で研究者としてかかわってきた。

 環境省は、20年4月から5年計画で「第2期ライチョウ保護増殖事業実施計画」を策定した。最大の目標は、ライチョウを環境省レッドリストで近い将来の絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」から、絶滅の危険が増大している「絶滅危惧Ⅱ類」へダウンリストすることだ。そのためには、生息地を北アルプスなどの5地域から6地域に増やすことが最低条件となる。絶滅地域の中央アルプスを復活させればクリアできる。

 絶滅地域のライチョウ復活は初挑戦となる。復活作戦は、パズルのピースを正確に埋めていく作業に似ている。1960年代、富士山金峰山で新たなライチョウ生息地をつくろうと北アルプス南アルプスから10羽弱移植したが、10年程度でともに姿が消えた。

 中央アルプスでは2018年…

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