自転車「ながら運転」やレーン逆走は罰金も 意外と知らないルール

新谷千布美
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 自転車のルール、正しく知っていますか――。歩道を走ってもいいのか、スマホを使いながらはダメなのか、迷った人がいるかもしれない。住宅が多く、人身交通事故の半分を自転車事故が占める大阪市西区大阪府警が今月、自転車の安全教室を開いた。自転車事故は10~12月に増える傾向にあるといい、府警などが注意を呼びかける。

 「スマホを見ながら、イヤホンを聞きながら、傘差しながらはダメなんです」

 11日午後、吉本興業のお笑いコンビ「ツートライブ」が、大阪市西区の市立靱幼稚園の園児や保護者計約100人に呼びかけた。西署の警察官と共に、「自転車に一緒に乗せられるのは1人だけ、小学生にあがるまでですよ」「2人乗せるなら専用の自転車で」と掛け合いながら、罰金が科せられる違反例を紹介していた。

 西署によると、大阪市西区で今年1~10月の人身交通事故は307件。このうち147件(47・9%)が自転車事故だった。2020年の交通事故全体に占める自転車の事故の割合は、全国平均が21・9%だが、大阪府は34・3%だ。大阪は都市部を中心に平地が多く、自転車の保有台数や利用率が高いことも背景にあるとみられる。

 道路交通法では、自転車は乗用車やバイクと同じ車両(軽車両)だ。乗用車と同じように、左側通行をしなければならない。

 自転車は、歩道が車道と区別されている場所では、歩道ではなく車道の左端を走るのが原則だ。白線で路側帯だけの場合は、歩行者の通行を妨げない範囲で路側帯を走ることができる。

 水色や白の道路表示がある車道の自転車レーンも、車と対向する右端を走ると、道交法の「通行区分違反」に問われ、罰金が科される場合もある。

 歩道の走行は、「自転車通行可」の標識がある場合と、運転するのが13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者で、車道を走行するのが危険な場合などに限られている。歩道を走るときも、「車道寄りを徐行」し、歩行者の邪魔になりそうな場合は自転車側が一時停止しなければならない。

 道交法では、「公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」も禁止されている。スマホ操作や傘差しをした「ながら運転」は大阪府道路交通規則で禁止されており、5万円以下の罰金の対象となることがある。

 また、罰則はないが、13歳未満の子どもが自転車に乗る場合、保護者はヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。大阪府の条例では、自転車保険加入のほか、高齢者のヘルメットや反射材の装備を義務付けている。

 2020年の「大阪の交通白書」によると、自転車事故の当事者の約8割に、安全不確認や一時不停止といった何らかの違反が確認された。

 府や府警でつくる大阪府交通対策協議会は、11月を「自転車マナーアップ強化月間」として、大阪市と堺市を結ぶ阪堺電車とコラボし、車両に特製ヘッドマークをつけて運行させている。鉄道好きで知られるタレントの斉藤雪乃さんと自転車の交通ルールを学べる旅番組風の動画も作製。30日までユーチューブの協議会の公式チャンネル(https://youtu.be/97A86XCXwr4別ウインドウで開きます)で配信する。

 過去5年間では、日没の時間が早くなる毎年10~12月に自転車事故が増える傾向にある。中でも12月が年間で最多の月だ。昨年12月の1カ月間は877件で、同年の1カ月平均より20%多かった。府警の山下貴史・自転車対策室長は「ルールを再確認し、安全に運転してほしい」と話している。(新谷千布美)