模範囚、刑期残り2年で脱獄劇 中国の刑務所から消えた北朝鮮人の男

有料会員記事

瀋陽=平井良和
[PR]

 中国吉林省の刑務所から、不法入国や強盗などの罪で服役していた北朝鮮人の男が脱獄し、公安当局が行方を追っている。逃走から1カ月を経ても居場所がつかめず、各地の当局が情報提供に相次いで高額報奨金を出すと表明する事態になっている。

 吉林省吉林市の公安当局の発表によると、10月に市内の刑務所から脱獄したのは、2013年夏に中朝国境の図們市に不法入国したとされる男(39)。同市付近は国境の川の幅が比較的狭く、13年ごろには北朝鮮側の国境警備隊の一部が中国側に入って物資を盗むなどの事件が頻発していた。

 公安当局によると、男は窓を割って民家に侵入していたところを住民に見つかり、刃物でその住民を刺してかばんを奪って逃走したなどとして拘束され、14年に強盗などの罪で懲役11年3カ月の判決を受けた。服役の態度が模範的だとして減刑措置を受け、刑期満了は23年8月になっていた。

 だが、今年10月18日の夕方に刑務所内の作業小屋の屋根の上によじ登り、逃走防止用の電圧線をロープを使って引きちぎった上で数メートルの外壁の上から飛び降りて逃走。公安当局はすぐに公開指名手配し、身柄確保につながる情報に対して、15万元(約270万円)の報奨金をかけた。

 その後、男の情報は交錯。脱獄の2日後に、西に350キロほど離れた内モンゴル自治区通遼市の公安当局が「こちらの近くに逃げて来た可能性が高い」と市民に通報を呼びかけた一方、中国メディアは、11月上旬ごろに刑務所から南西に15キロほどの村で開かれた結婚式に「新婦の友人だ」として紛れ込んでいたとの証言があると報じた。

 吉林省の気温は連日零下となり、雪も降る。だが、吉林市に隣接する省都・長春市の公安当局は男とされる人物が迷彩服に似た上着や帽子、マスクを身につけ、手に刃物のようなものを持った映像を公開しており、何らかの方法で防寒着などを確保したとみられる。

 同市の公安当局は「化粧などをして外見を変えている可能性がある」ともしている。

 11月上旬以降、周辺各地の…

この記事は有料会員記事です。残り598文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!