政府、石油の国家備蓄の放出検討 備蓄目標量下げる案浮上

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 原油価格の高騰を受け、政府が石油の国家備蓄の放出について検討していることが19日わかった。供給量を一時的に増やすことや、売却でガソリン価格抑制の補助金の財源を確保することがねらいだ。法令で定める備蓄の目標量を下げる案が浮上している。

 石油備蓄には国が所有する国家備蓄と、石油会社に法律で義務づけている民間備蓄などがある。国家備蓄は国内需要の約90日分以上、民間備蓄は70日分以上と定めている。国内の民間タンクを産油国の石油会社に貸与する産油国共同備蓄と合わせると、9月末時点で計242日分が貯蔵されている。

 政府関係者によると備蓄の目標量を下げることで、一部を放出できないか検討しているという。

 備蓄を取り崩せるのは紛争による供給不足や災害時などに限られる。価格を下げるための放出は想定されていない。過去に民間備蓄を放出したのは、湾岸戦争東日本大震災などの際だ。国家備蓄の放出は例がない。ただし、経済事情の著しい変動のため特に必要があるときは、備蓄の目標量は変更できる。

 石油備蓄をめぐっては、米国が中国や日本などに協調して放出を検討するよう要請したと報じられていた。

 国内ではレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)が15日時点で1リットルあたり168・9円と、約7年ぶりの高値水準が続く。

 政府は原油高騰の対策としてガソリンの価格を抑制する。石油元売り各社へ補助金を出し、小売価格が上がりにくくする。灯油や軽油、重油も価格抑制の対象にする。

石油備蓄

〈石油備蓄〉 1973年の第1次石油危機などを受け、安定供給のために70年代に始まった。国が所有する国家備蓄と、石油会社に法律で義務づけている民間備蓄などがある。国家備蓄は全国10カ所の基地などで国内需要の約90日分以上を貯蔵する。民間備蓄は70日分以上と定めている。国内の民間タンクを産油国の石油会社に貸与する産油国共同備蓄と合わせると、9月末時点で計242日分が貯蔵されている。