大坂なおみらの中国包囲網との落差 沈黙のバッハ会長とIOCの矛盾

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編集委員・稲垣康介
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 大坂なおみら女子テニスのトップ選手が続々と選手仲間の安否を心配する声をSNSで上げる。世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチセルビア)ら男子選手も賛同する。拡散力を誇るスター選手による「中国包囲網」が日に日に厚みを増していく。

 女子ダブルスの元世界ランキング1位、彭帥(35)が張高麗前副首相から性的暴行を受けたと今月2日にSNSで発信した後、消息不明になった。女子プロテニス協会(WTA)は中国側に真相解明を求める声明を出し、スティーブ・サイモン最高経営責任者はツアー大会の中国からの撤退もいとわない決意を米CNNに語った。女子テニスは男子に比べて大会数など中国への依存度が高く、トップ選手8人が争う年間最終戦も深圳での開催が2030年まで決まっている。ビジネス面でみれば、失いかねない商業的利益は甚大だ。

 中国のスポーツビジネスに精通するEMリヨン経営大学院のサイモン・チャドウィック教授に聞いた。「スポーツの一団体が巨大な市場である中国と真っ向から対立するのは珍しく、勇気ある行動だ。もっとも、WTAの成り立ちからすると理解できる」。1970年代、テニス界の女王だったビリー・ジーン・キングさんは女子の賞金が男子より大幅に少ないことに異を唱え、仲間とWTAを創設した。ジェンダー平等はWTAの背骨を貫く哲学だ。男性至上主義が根っこにあるセクハラパワハラがあったとすれば許容は出来ない、というわけだ。

 これまで、米プロバスケット…

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