ボトムアップになっている? 立憲代表選、党員らとオンライン討論会

立憲

北見英城、神沢和敬
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 立憲民主党の代表選(30日投開票)で党員らが参加するオンライン討論会があった。4年前に掲げた「市民参加型の政治」「ボトムアップの政治」をめぐって議論。党内には結党の精神が薄れたとの指摘もある。代表選では党の組織拡大や党運営のあり方も問われている。

 「立憲民主党が市民とともにボトムアップ型の政党であるために、どんな取り組みをするのか」「庶民の政治参加を実現するためにどうするのか」

 討論会では、代表選に立候補した逢坂誠二政調会長(62)、小川淳也元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美元厚生労働副大臣(54)に、「パートナーズ」と呼ばれる会員が質問。「ボトムアップ」「草の根」「庶民」といった言葉が相次いだ。

 2017年に枝野幸男前代表が立ち上げた立憲は、直後の衆院選で「草の根からの民主主義」を掲げた。翌年、年500円で党の政策づくりや選挙の手伝いに関わる「立憲パートナーズ」制度を導入。立憲がめざす、庶民の声を聞く草の根の政治の象徴だった。パートナーズには代表選の投票権がないが、候補者と話す場として設けられた。

 当時の経緯を知る西村氏は討論会で「ワンコインで参加できるので間口は広くなるが、それで活動はできるのかと議論した。政党は、意見を吸い上げて形にする水車のような役目。『ボトムアップの政治』の再起動のために考え直すいい機会だ」と語った。

 同党が18年に「原発ゼロ基本法案」をまとめた時、政策立案に市民の声を生かすため、全国でタウンミーティングを重ねた。逢坂氏は討論会で「ああいう取り組みは非常によかった。その後は息切れをしてきた感じがある」と認めた。

 原発ゼロ法案以降、全国で対話を重ねて法案にまとめ上げるという活動は乏しい。むしろ、党の一部の執行部が政策や方針をトップダウンで決める傾向が強くなった。識者からは「権威主義的」と指摘されることもあった。こうしたことが背景にあり、結党時の魅力が薄れているという声もある。

 「パートナーズ」の一人として討論会に参加した松崎行雅さんは朝日新聞の取材に「原発ゼロは、みんなで作ったという実感があった。結党から時間がたち、活力が失われてきた。大きくなった組織にふさわしいボトムアップを求めて、もがいている」と語った。

 一方、結党時には立憲にはいなかったものの、その後、党に入った小川、泉両氏も「ボトムアップ」や「参加型」の重要性を強調した。

 昨年9月の党代表選でもボトムアップ型の政党をめざすと掲げた泉氏は「本当にボトムアップだったのか、草の根の声を生かして党運営をしてきたのか、問い直さなきゃいけない」と指摘。小川氏も「地域を回って議論して対話を重ね、『俺たちの政策だ』と思ってもらえるプロセスを取りたい」と語った。

 代表選では国会議員や地方議員らの投票を計572ポイントに換算して争われるが、4分の1を一般党員・協力党員が占める。党員の声が勝敗のカギを握る。(北見英城、神沢和敬