解説者デビューの親方・白鵬へ 「文化を大切にするのか、それとも」

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 現役を引退した元横綱白鵬間垣親方九州場所8日目の21日、NHK中継で解説者としてデビューする。横綱、大関経験者は正面解説席に入るのが慣例で、間垣親方も正面解説席から幕内の取組を担当する予定だ。もともと発信力の高かった間垣親方の語り口も注目される。中継中には現役時代を振り返るコーナーもあるという。

 その親方として本場所デビューした元横綱白鵬を、幕内に上がる前から見てきた元NHKアナウンサーの刈屋富士雄さんに、親方として本場所デビューした元横綱白鵬への期待を語ってもらった。

元NHKアナウンサー刈屋富士雄さんが語る

 日本の伝統文化の担い手としての横綱と、プロスポーツの頂点としての横綱。現役時代の白鵬は、プロスポーツにやや重きを置いていた節がありました。

 近年はよく休場した中、けがが治って出場すれば優勝に絡んだ。番付が下がらない横綱の特権を使っていると批判はありましたが、プロスポーツの頂点に立つ人間としては認められていいわけですよ。

 大相撲に外国出身の力士が増えていく今、プロスポーツの側面は捨てきれません。日本のアマチュア相撲の若い選手も、むしろ、そちらに傾倒しています。

 アマチュアは伝統文化の要素を持ったスポーツ。ただ、大相撲はスポーツの要素を持った伝統文化です。横綱は力量が少しでも落ちたと思われたら、潔く身を引くという考え方が本流にはあります。

 受け継がれてきた文化を大切にしていくのか、それとも、プロアスリートの方向へかじを切るのか――。

 伝統文化の側面については、親方になった今、白鵬が見つめ直すべきテーマです。主宰した少年相撲大会「白鵬杯」では、世界の子どもたちに相撲を教えて、人間形成を打ち出しました。大相撲を単なるスポーツとしてとらえていないことは間違いありません。

 大きな影響力を持つ白鵬がどちらを推し進める親方になるかで、角界の今後の方向性は決まっていくのではないでしょうか。引退から10年が大きなポイントだと思います。