取り壊し危機の酒蔵、国の登録文化財へ 県庁辞めて再生させた社長

有料会員記事

筒井次郎
[PR]

 滋賀県近江八幡市の旧城下町にかつて1軒だけあった造り酒屋。一時は取り壊される恐れもあった。この建物9件(棟)が、国の登録有形文化財になる見通しとなった。現在はゲストハウスやショップとして活用されている「まちや倶楽部(旧西勝、にしかつ)酒造)」だ。国の文化審議会が19日、文部科学相に答申した。

 近江八幡市仲屋(すわい)町中にある「まちや倶楽部」。11棟の広大な建物があり、うち9棟が登録の対象だ。

 通りに面した主屋(おもや)は、卯建(うだつ)や虫籠窓(むしこまど)のある明治前期の古民家だ。和の趣を感じられるゲストハウスに改装された。酒蔵で働いた蔵人(くらびと)の宿舎・文庫蔵(1741年築)は、地元の職人が手がける工芸品を展示販売するショップに。酒絞りをした広い空間の槽蔵(ふなぐら、1911年築)は、演奏会などに使われている。

 ほかに巨大な酒造用タンクのある中央蔵や、麴(こうじ)を造った麴蔵など明治前期~昭和期の建物が登録される。

 文化庁からは「酒蔵の建物群が一連で残り、旧市街地の町並みを形成する重要な建造物」と評価された。

 そんな貴重な建物が、2010年には取り壊しの危機にあった。酒蔵の生業をやめたためだ。

 「失うには惜しい」と、当時…

この記事は有料会員記事です。残り563文字有料会員になると続きをお読みいただけます。