パレスチナの日常知って 京大11月祭でオンライン写真展
パレスチナの日常を知ってほしい――。京都大と同志社大の学生でつくる団体「SHIRORU(しろる)」が、22日までオンラインで開催中の京大11月祭で、現地から届いた写真やアニメを発信している。
SHIRORUは昨年秋、京大2年、斉藤ゆずかさん(20)と同志社大2年、西藤陸さん(20)を中心に結成された。パレスチナ出身の同志社大の留学生を通して現地の学生とつながり、オンラインで交流会をしたり、勉強会を開いたりしている。
斉藤さんは高校2年の時、パレスチナ自治区ガザ地区で医療支援をする日本人医師の講演を聞き、現地の過酷な状況に心を痛めた。「知っただけで終わりにしたら、私はパレスチナの人たちの前に立てるだろうか。何か行動しなくては」。団体を立ち上げ、「素人でも知ろうとすれば、何かが変わるかもしれない」との思いでSHIRORUと名付けた。メンバーは現在14人。
11月祭では、人々の営みをもっと身近に感じてもらおうと写真展を企画した。「日常」をテーマに、ガザ地区のジャーナリストや学生、パレスチナに渡航した日本人から送ってもらった約60点を、説明を添えて紹介している。
家に入ってきた雨水をくみ出す男性、結婚式を祝う若者たち、テントの前で遊ぶ子ども。難民キャンプのごみの山や、イスラエル兵の姿を捉えたものもある。
現地の若者らがつくったアニメも公開した。誕生日を両親に祝ってもらっている最中に爆撃を受けてしまう男の子が主人公で、1分半ほどの作品だ。
「ニュースでは伝えられない日常がそこにある。自分たちと同じように今を生きている人がいることを感じてほしい」と斉藤さんは話す。
活動を伝えるフリーペーパーも制作中だ。今年5月、ガザ地区で軍事衝突が起き、イスラエル軍による空爆で、子どもを含む民間人に多くの犠牲者が出た。それを受けて開いた講演会や現地の様子を知る企画などを紹介。京大や同大周辺の店舗などに置いてもらう計画という。
写真展は、11月祭(https://nf.la/)から「しろるNF2021」で検索。(永井啓子)
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