「渡りに船」の取引はわなだった 大量の食肉とともに消えた取引先

有料会員記事

田中紳顕、吉沢英将
[PR]

 関東地方の食肉輸入会社に「商社の社員」を名乗る男から電話がかかってきたのは、2020年夏のことだった。

 「大口で食肉を卸してほしい」。男はそう持ちかけてきた。

 コロナ禍で外食需要が激減していた時期。会社は大量の在庫を抱え、食肉輸入会社の男性社長は「渡りに船」と取引に応じた。「取り込み詐欺」の始まりとは夢にも思わなかった。

中小企業を狙い、高級食材や電話製品をだまし取る取り込み詐欺の被害は後を絶ちません。コロナ禍が続く中、在庫を抱えた企業の被害も目立ちます。被害に遭わないためにどうすればよいのか、記事の後半で専門家に聞きました。

 数日後、社長は案内された「オフィス」を訪ねた。

 テナントビルの一室で、机や固定電話が並び、何人かの男性がいた。いずれも40代後半くらいで、スーツ姿。顔つきや髪形は街中のサラリーマンそのものだった。久々の大口取引。商談がうまくいくようにと考えた。

 応対した人物の名刺には「営…

この記事は有料会員記事です。残り1226文字有料会員になると続きをお読みいただけます。