スマホばかり見てる男の子が… 特別じゃない日、私が描き続ける理由

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若松真平
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 「特別じゃない日」をテーマに描き続けている漫画家・稲空穂さん。

 ふとしたきっかけでつながっていく、日常の中の小さな幸せを描いたシリーズだ。

 描く上で心がけているのは「目の前の人や出来事は一つのくくりに収まらない」ということ。

 たとえば、イライラしているサラリーマンがいたとする。

 もしかしたら、上司に怒られた直後かもしれない。

 思春期の娘とケンカした後なのかもしれないし、つまずいて転んでしまったのかもしれない。

 人は見えているところだけでは判断できない。

 そんな視点を提供できたらいいな、と思いながら描いている。

    ◇

 転機となった漫画がある。

 2019年8月に発表した「スマホ世代」というタイトルの作品だ。

 登場人物は、夏祭りに来た男の子と父親。

 お面を買って、ヨーヨー釣りをして、リンゴあめを買って、くじを引いて。

 その間、ずっとスマホを握りしめて画面を見ている。

 「まったく、いまどきの子どもは……」と思いながら読み進めると、次のコマで見方が一変する。

 花火が上がったことに気づい…

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