日本の防衛予算のGDP比、早期倍増を ハガティ前駐日米大使が主張

ワシントン=望月洋嗣
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 前駐日米大使で、米議会上院のウィリアム・ハガティ議員(共和党)が朝日新聞の取材に応じた。国内総生産(GDP)比で1%以内におおむね抑えられてきた日本の防衛予算について、2%への引き上げを早期に実現するよう求めた。最近の中国の動向について「悪意に満ちた態度」と批判。日米が中国に対抗するうえで、日本のさらなる軍事的貢献が不可欠との見方も示した。

 ハガティ氏はトランプ政権で駐日米大使を務め、日米関連政策について米議会内で一定の発言力を持つ。不在が続く駐日米大使の米上院での早期承認も主導している。

 ハガティ氏は取材に、南シナ海や台湾周辺空域での中国の動きを挙げ、「悪意に満ちた態度を強めている」と指摘。中国の習近平(シーチンピン)国家主席と初めてオンライン会談したバイデン大統領について「中国に普通の競争を求めたが、考え方が甘い」と述べた。香港や新疆ウイグル自治区での人権状況に関してバイデン氏が「中国に何の圧力もかけていない」と強く批判した。

 日本の防衛予算については、岸田政権が表明した大幅な増額方針を評価したうえで「米国はGDP比で3・5%以上を国防費にあて、日本や欧州に米軍を駐留させている。同盟国が防衛予算のGDP比2%増額さえ困難だとすれば、子どもたちの世代に説明がつかない」と不満も表明。早期の実現を促した。さらに、「予算だけの問題ではない」と述べ、共同訓練などを増やし、自衛隊が米軍との相互運用性を高めるよう求めた。

 一方、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が巨額の報酬を開示しなかったとされる事件で、共犯に問われている元代表取締役の米国人グレッグ・ケリー被告について「十分に罰を受けたので早く米国に帰されるべきだ」と主張。「日産の問題は、本来は役員会議で解決されるべきだ。この問題は日米間に大きな摩擦を生みかねない」などと述べた。

 駐日米大使に指名されたラーム・エマニュエル元シカゴ市長の承認については「ペースが遅いことにいら立っており、早期の承認を望んでいる」と述べた。(ワシントン=望月洋嗣)