「森で死ぬのはいや」娘の前で浴びせられた放水 ベラルーシ国境緊迫
中東からの移民・難民が押し寄せているベラルーシのポーランドとの国境地帯に朝日新聞の記者が入った。本格的な冬が迫る中、いまも異国の地にとどまる人々の切実な思いに迫った。
普段は大型トラックが出入りする国境検問所脇の巨大な倉庫が、「欧州で難民認定を」と願う人々であふれていた。コンテナを並べるケージを上下2~3段に仕切り、2メートル四方ほどの1区画ごとに複数の家族が毛布を持ち込んで肩を寄せ合う。
ポーランド国境まで数百メートルのベラルーシ・ブルズギにある運輸物流センターが臨時の避難所に変身していた。欧州を目指す移民・難民の避難所やキャンプを何度も取材したが、これほど子連れの家族が多いのは初めてだ。
イラク北部から来たヘーシューと名乗る女性(27)は夫とともに2~7歳の娘3人を連れていた。欧州連合(EU)域内に入ろうと森で過ごした20日間は、テントもなく、雨にさらされた。11月に入ると夜間は気温が零下に。寒さで眠れず、死の恐怖を感じた。それでも家族でドイツを目指す。
臨時の避難所に収容された移民・難民は、ざっと2千人以上。記者が国境警備隊の許可を得て現地を訪ねた。
「自分たちのためじゃない…
【視点】そもそもベラルーシは、それほど手軽に入国できる国ではありません。私が取材や観光のビザを取った際には、一定額以上の旅行者向け保険に加入していることの証明や、ホテルの予約証明などが求められました。ところが今回ベラルーシに入国してポーランド国境に