園児への虐待「意見しづらい環境あった」 熱中症死事故の園が報告書

神野勇人
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 福岡県中間市の双葉保育園で男児(当時5)が送迎バスに閉じ込められて死亡した事故をめぐり、保育園の運営法人は22日、園児への虐待があったと認定した県と中間市の改善勧告に対する報告書を提出した。園側は虐待の一部を認めたうえで再発防止策を説明し、受理された。今後、県と市が対策が実施されているかを監査で確認するという。

 県はバス事故に関する監査の過程で複数の園児らへの不適切な指導を覚知し、改めて監査を実施。日常的にげんこつでたたく▽「好かん」「ばか」などの暴言▽全身をバスタオルで巻いた状態でトイレに長時間放置するなどの虐待を認定し、10月21日に原因の検証や再発防止策の報告を園側に勧告した。

 園側は園長や外部の元保育士、民生委員ら計4人が職員らに聞き取りを実施。頭をたたいたり、腕を引っ張ったりする行為は加害職員の証言がとれたとして虐待と認定した。暴言は複数の証言が出たが、加害職員の証言がなく認定には至らなかった。

 加害職員や目撃した職員らは、こうした虐待が不適切と認識しながら上司へ報告していなかった。園側は原因について「特に若い職員から管理職に意見を述べづらい環境があった」と総括した。

 園側は再発防止策として、職員会議や研修を通じた不適切保育への認識の共有や、主任保育士から園長に報告をあげる体制づくり、複数担任制の導入や保護者の自由参観期間の設定など、現場に目が届く仕組みの構築などを進めるとした。園側は12月にも検証結果や今後の対策について保護者説明会を開くという。(神野勇人)