サンマ不漁、原油高が追い打ち 銚子で今季初水揚げ

大久保泰 小木雄太、上保晃平
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漁業者「燃料費で消える」

 千葉県銚子市の銚子漁港に22日、昨年より41日遅れで今季初のサンマが水揚げされた。記録的な不漁が続いているうえ、燃料費の高騰が追い打ちをかけ、漁業者からは「燃料費で水揚げが消えてしまう」と厳しい声が上がっている。

 この日水揚げされたのは1隻で17・7トン。1キロ当たり平均641円で、昨年の663円を下回った。サンマ漁は近年、全国的に不漁が続く。銚子漁港の水揚げも平成以降でみると、最大6万5千トンあったのが、2019年620トン、20年476トンと100分の1以下になっている。

 さらにここにきて燃料の重油の高騰が重くのしかかる。昨年1リットル80円前後だったが、今は110円台と3割以上に高騰。初水揚げした漁船は北海道沖の公海まで片道2日半をかけての漁だったため、漁労長の辻野伝治郎さんは「燃料費の高騰は本当に痛い。年末までの漁で水揚げを増やすしかない」と話している。(大久保泰)

農業や運送にも影響

 燃料高は県内の各方面に影響を与えている。

 JA全農(東京都千代田区)広報・調査部によると、暖房を使うキュウリやナス、トマト、イチゴなどのビニールハウス栽培への影響は大きい。

 木更津市でミニトマトを栽培する引藤(いんどう)崇さん(43)は、1~2月は暖房用に1カ月で3千~4千リットル重油を使うという。「我々が我慢するだけでは価格の維持は厳しい。お客さんに申し訳ないが、販売価格を少し値上げしている」

 運送業界からも悲鳴が上がる。千葉県内2千社以上の中小の運送会社らが加盟する県トラック協会の担当者は「運送業者にとって、コストの2割近くを占める燃料費の高騰は影響が大きい」と明かす。同会は10日、県内選出の自民党国会議員16人に「可及的速やかな燃料高騰への対策」を求める要望書を提出した。担当者は「今後の価格の見通しもわからず、不安な状況が続いている」と話した。

 千葉市中央区にある出光興産特約店の千葉石油「千葉登戸給油所」では22日、レギュラーガソリンを一般価格1リットル162円で販売していた。

 原島俊哉所長によると、コロナ禍で客数が2~3割減ったうえ、ガソリン価格の上昇で洗車などの利用も控える客が増えたという。メール会員に値引きを案内するなど顧客のつなぎとめに腐心する。給油した東京都大田区の男性会社員(61)は「ガソリン代が上がると家計に直接影響が出る。安い給油所があれば入るようにしている」と話した。(小木雄太、上保晃平)