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コロナ禍の病院、補助金頼りの黒字確保 20年度、受診控え響く

村井隼人
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 厚生労働省は24日、医療機関や保険薬局の経営状況を2年ごとに調べる「医療経済実態調査」を公表した。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年度の病院の収支はコロナ関連補助金により、かろうじて黒字を確保した。コロナ治療に関わりが深い医療機関ほど、本業の収支が厳しい実態も明らかになった。

 調査は8375の医療機関などに対して実施し、有効回答率は53・17%だった。新型コロナの感染拡大後では初の調査となり、来春の診療報酬改定に向けた中央社会保険医療協議会中医協)の議論の基礎データとなる。

 調査によると、病院では20年度の損益率(収入に対する利益の割合)は民間、国立、公立など全体の加重平均で1・2%の黒字。19年度のマイナス2・0%よりも改善した。

 ただ、黒字に転換したのはコロナ関連の補助金の効果が大きい。補助金を除いた損益率は全体でマイナス5・6%の赤字となった。厚労省の担当者は「受診控えと手術件数の減少が主な赤字要因だった。コロナ関連の補助金がない場合、病院では厳しい経営状況になった」と分析する。

 補助金を除いた場合、コロナ対応が手厚かった病院ほど、前年度より赤字の拡大幅が大きくなる傾向もみられた。新型コロナの重点医療機関はマイナス10・7%(前年度はマイナス5・4%)、協力医療機関ではマイナス8・0%(同マイナス4・4%)だった。

 精神科病院は国公立の経営が厳しく、コロナ関連補助金を加えた損益でもマイナス2・2%だった。

 一方、診療所(病床20床未満)では、個人立で28・8%と19年度並みの利益だった。診療所のうち、医療法人は19年度より2・3%は減ったが、4・2%の黒字だった。ただし個人立の利益は、建物や設備投資のための内部資金にあてられることもあり、ほかの医療機関より高く出る傾向がある。

 歯科診療所、保険薬局も19年度並みの黒字を確保した。(村井隼人)