第9回【新聞と戦争・アーカイブ】社論の転換:8 満州事変

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【2007年8月14日夕刊2面】

 満州事変に関する最初の社説は、東京朝日、大阪朝日とも、31年9月20日に載った。東京朝日はこう述べる。

 「すでに報道にあるが如(ごと)く、事件は極めて簡単明瞭(めいりょう)である。暴戻(ぼうれい)なる支那側軍隊の一部が、満鉄線路のぶつ壊しをやつたから、日本軍が敢然として起(た)ち、自衛権を発動させたといふまでである」

 そして社説は、事態を拡大させないよう軍に「最善の努力」を「切望」し、「一日も早く外交交渉」に移すことを求めた。

 大阪朝日の社説も「注意すべきは……(中国軍に対する)排撃行為に必要の度を超えざることである。……此際(このさい)出先(でさ)き軍部に対して必要以上の自由行動をせざるやう厳戒すべきである」と述べて、軍の暴走を戒めた。

 しかし、そのとき既に暴走は始まっていた。

 柳条湖事件発生翌日の9月1…

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