第15回【新聞と戦争・アーカイブ】社論の転換:14 その要因
【2007年8月22日夕刊3面】
30年10月26日。朝日新聞の社内会議で、大阪本社の高原操編集局長はこういった。
「主張や意見の問題は営業政策と全然別個のものであります、否、我社(わがしゃ)はその混同を極力排斥するものであります」(社内資料)
社論が、販売や広告の事情に左右されてはならない。社説責任者の高原はそう社内に説いた。
10カ月後の31年8月、高原の言葉の真価が問われる事態が朝日を襲った。満州で、朝日に対する不買運動の火の手が上がったのだ(同)。満州事変が始まる1カ月前のことである。
この運動の担い手は、満州青…