第97回【新聞と戦争・アーカイブ】政経記者たち:4

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【2007年11月22日夕刊3面】

 1936年2月26日早朝、東京朝日新聞の主筆、緒方竹虎宅の電話が鳴った。2・26事件発生の通報だった。編集局にいた午前8時50分ごろ、陸軍の指揮将校が面会を求めてきた。

 エレベーターで玄関に下りていくと、目を赤く血走らせた陸軍中尉が立っていた。緒方が後に写真で確認したところ、中橋基明中尉だった。中橋はこれに先立つ午前5時5分、就寝中の高橋是清蔵相を暗殺していた(社内資料など)。

 中橋らに指揮された兵は、編集局を荒らし、印刷活字の棚をひっくり返した。帰り際、もうひとりの将校、栗原安秀中尉はこう叫んだ(『現代史資料4』)。

 「国賊朝日新聞は多年自由主…

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