第98回【新聞と戦争・アーカイブ】政経記者たち:5

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【2007年11月26日夕刊3面】

 2・26事件の結果、ふたつの重要な変化があった。陸軍統制派が勝利したことと、高橋是清蔵相暗殺による高橋財政の終焉(しゅうえん)である。

 昭和恐慌脱出のため、高橋は積極財政を続けた。増税を避け、日銀による国債引き受けという禁じ手まで繰り出した。日銀はいくらでも紙幣を発行できるから財政節度が失われやすい手法だ。

 経済界には資金が回り始め、景気は回復してきた。一方で、軍事予算は抑制した。暗殺の標的となったのはこのためだ。残されたのは、財政の禁じ手と、軍部による膨大な予算要求だった。

 広田弘毅内閣の馬場鍈一蔵相…

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