第99回【新聞と戦争・アーカイブ】政経記者たち:6

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【2007年11月27日夕刊3面】

 政党や新聞社の腰が砕け、軍部独裁が近づいてくる。そんな中、軍部を抑えていくには一つの政治勢力に結集して新たな国民運動を起こすしかない――。近衛文麿を軸とする昭和研究会に集った人々はそう考えた。朝日からは佐々(さっさ)弘雄や笠(りゅう)信太郎、尾崎秀実(ほつみ)が参加し、中心的な活動を担った。

 佐々は熊本県出身。父親の友房は、西郷隆盛軍とともに西南戦争に参加、後に衆議院議員となる。弘雄は東京帝大に進み、民本主義の吉野作造に師事した。九州帝大教授になったが、左翼系教授追放の九大事件に連座して職を追われた。

 1928年、佐々は、妻とふたりの幼い子供を連れて上京、東京・麻布材木町に一軒の平屋を借りた。雑誌などへの寄稿で食いつなぐ不安定な生活が続く中、さらに3人の子供をもうけた。

 長女は現在の日本婦人有権者同盟代表の紀平悌子(79)、次男は防衛施設庁長官などを務めた佐々淳行(76)だ。

 悌子の記憶では、8畳間の父…

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