第27回【新聞と戦争・アーカイブ】社論の転換:26 別の道
【2007年9月7日夕刊3面】
「軍部の非常識、無鉄砲そのものが、常に我(わが)対支政策を裏から破壊しつつあると云(い)ふことに対して、国民はもつと憤慨しなければならない」
満州事変が起きた直後、「九州大学新聞」31年10月5日号に、軍部批判の論文「満州事変の責任」が載った。
書いたのは、九州帝大法文学部教授(政治学)で当時38歳の今中次麿(つぐまろ)。結論部分では「反戦のために、国民の民族観念を、清(きれ)いに洗いおとしてしまふ必要がある」と主張した。
新聞は発禁となり、今中も「…