第28回【新聞と戦争・アーカイブ】社論の転換:27 別の道

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【2007年9月10日夕刊3面】

 満州事変が起きて1年近くたった32年9月1日、東京朝日が号外を発行した。

 「今暁匪賊(ひぞく)大挙してまたも奉天を襲撃」

 抗日ゲリラが奉天に来襲、日本の憲兵隊などが出動し、激戦中だというのだ。

 この報道を陸軍は「事実無根」と否定した(「新聞紙匿名月評」『文芸春秋』32年11月号)。

 東京朝日は1日発行(紙面の日付は2日)の夕刊に続報を掲載。内務省は3日、「奉天、長春(新京)及(および)其(そ)の隣接地来襲に関する記事」は、陸軍省の発表以外、掲載しないよう命じた(『内務省新聞記事差止資料集成3』)。

 朝日が特ダネにするから記事が書けなくなった、と新聞各社は不満だった。そうした姿勢を『文芸春秋』の「月評」が鋭く突いた。

 「問題の中心を同業者間のね…

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