覚悟はある?ジェンダー平等への発言相次ぐ 立憲代表選

立憲

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 「ジェンダー平等」を掲げる立憲民主党の代表選で、各候補者からは女性の政治参画やポジティブアクション(積極的是正措置)について前向きな発言が相次いでいる。ただ、実現には課題も多い。専門家は、選択的夫婦別姓の導入などジェンダー政策を進めるには野党第1党の力が欠かせないと指摘する。立憲の覚悟が問われている。

 23日に福岡市であった候補者討論会で、宮崎県議の女性が「女性はまだ家事や育児をになっており、女性の候補者擁立は厳しい」と疑問をぶつけた。

 逢坂誠二政調会長(62)は「(衆院選の)比例ブロック単独1位を女性にすると、国会議員のハードルが下がる」と語った。また、「いろいろ課題があると話をしたら、ある議員から『いつまでもそんなこと言っているからダメだ』と怒られた」とも明かした。

 小川淳也元総務政務官(50)は「意思決定の場に女性が半数いることを目標として掲げる」とした。泉健太政調会長(47)も「党の執行役員の半数を女性にする。無理だという意見はすでにあるが、始めなければ変わらない」と語った。

 泉氏は20日にあった地方自治体女性議員とのオンライン討論会で、候補者を男性から女性に切り替えることについて「残酷な話だが、総選挙後がある意味リスタートの瞬間になる」と述べた。衆院選で負けた選挙区で積極的に女性候補を擁立する考えを示した。

 代表選で唯一の女性候補である西村智奈美元厚生労働副大臣(54)も20日の討論会で衆院選の比例区について、「比例(ブロック)1位を女性にすることを私の気持ちとしてはやりたい」と意気込んだ。

 9月の自民党総裁選では、執行部の男女比率や比例名簿の順位など、具体的な発言は乏しかった。これに対し、立憲の候補者は意欲的に見える。

 立憲は衆院選の公約に「ジェンダー差別の解消」を掲げ、「各議会でのパリテ(男女同数)をめざす」とした。しかし、衆院選で当選した女性は13人で党全体の13%にとどまった。討論会では女性議員から「党の本気度がうかがわれる」と指摘された。しかし、候補者からは様々な「課題」が挙げられた。

 比例名簿で女性候補を上位にすることについて西村氏は「選挙の結果は非情なもの。同じように頑張っているのに(女性が)優遇されて、それ以外の方は2位での争いになる。非常に悩ましい」と吐露した。

 逢坂氏も20日の討論会では「選挙に向けて頑張っている人を飛び越えて、女性を1位にするのは納得されないという議論があり、実現しなかった」と話した。

 また、小川氏は「何がしてほしいのか」と逆に質問。「実質的な差別がなくなるまで『逆差別』をやるというぐらいの意思でやる」と語る場面もあった。

「野党第1党が掲げて政権を揺さぶる」と専門家は指摘

 辻村みよ子東北大学名誉教授(憲法学)は「ジェンダー平等が代表選で取り上げられたことは前進だ。比例の男女交互名簿方式や、女性候補者の比率に応じた政党助成金の増減などのポジティブアクションを覚悟を持って実現させて欲しい。フランスではジェンダー平等が大統領選の争点になる。野党第1党が掲げることで政権を揺さぶる一歩になる」と指摘する。