人権侵害の歴史、水俣病と免田事件に学ぶ展示会 熊本大

長妻昭明
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 熊本で起きた人権侵害の歴史が今も繰り返されていることを知ってもらおうと、熊本大学で23日から水俣病と免田事件の資料展示会が開かれている。大学が所蔵する1万点以上の資料の中から初公開を含む10点が展示されている。26日までで、入場は無料。

 水俣病の資料は、患者が原因企業であるチッソが向き合わない姿勢を批判したビラや、逆にチッソを責める患者を批判したビラなど計6点が展示された。

 注目されるのは、水俣病の原因企業「チッソ」がプラスチックの原材料・アセトアルデヒドを作る工程を示す図だ。チッソの労働組合・第一組合委員長を務めた岡本達明さんが大学に寄贈した物で、今回が初公開となる。

 資料の展示ケース上には、大学が作ったプラスチックと環境汚染の関係が書かれたパネルがある。チッソはプラスチックを作るために海を汚したが、今はプラスチックが海に大量に流入している――、そんな海洋汚染が繰り返されていることを知ってもらおうと、わかりやすく解説したパネルを置いたという。

 国内の死刑囚として初めて再審無罪が確定した故免田栄さんの資料は、本人らから寄贈された4点が展示された。免田さんの死刑判決が確定した直後、福岡刑務所が家族に遺体か遺骨かどちらの状態で引き取りたいかを尋ねる書類や、無罪判決後に熊本地裁に再審請求したが棄却となった判決文が並ぶ。

 再審無罪となってもその判決の主文ではいったん確定した死刑判決が取り消されていないと訴えた免田さんの思いなど、現在の法制度が抱える問題点を伝えている。

 展示会を企画した熊本大学法学部の岡田行雄教授は「熊本の負の遺産を学ぶことで、今も同じ問題が起きていることを知って欲しい」と話した。展示会は24日と25日が水俣病、26日が免田事件。いずれも午前10時から午後2時まで。詳細は同大学文書館(http://archives.kumamoto-u.ac.jp/別ウインドウで開きます)へ。(長妻昭明)