小惑星衝突から地球を救え 体当たりで軌道変更実験、探査機打ち上げ

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小川詩織石倉徹也
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 地球に衝突する小惑星から人類を守る――。まるでSF映画のような「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」のための米国の探査機DART(ダート)が24日午後3時半ごろ、米カリフォルニア州から打ち上げられた。小惑星に衝突させて軌道をわずかにそらし、将来、地球にぶつかるのを防ごうという試みだ。

 1998年の映画「アルマゲドン」は、地球にぶつかりそうな小惑星に核爆弾を埋め込んで爆発させた。

 実際、地球に近づく小惑星はこれまでに約2万7千個見つかっており、深刻な被害をもたらしかねない大きさ140メートル以上の「潜在的に危険」な監視対象も約2千個ある。今のところ衝突が迫る例はないが、小惑星の軌道は木星や火星の重力で変わるほか、毎年2500個以上が新たに見つかっており、今後、衝突の危険が高いものが見つかる可能性もある。

アルマゲドン作戦は「被害が拡大、現実的でない」

 ただ、地球防衛に詳しい宇宙航空研究開発機構(JAXA)の吉川真准教授は「爆弾やミサイルで粉々にすると、大量の破片が地球に降り注ぎかねない。被害が拡大してしまい、現実的ではない」と話す。

 そこで考えられているのが、小惑星に物体をぶつけて少しずつ軌道をずらす方法だ。ピラミッドにバスをぶつけるようなものだが、地球接近の10年以上前なら、最終的に軌道を大きくずらせるかもしれない。

 米航空宇宙局(NASA)などが今回打ち上げた探査機は、地球と木星の間を回る双子の小惑星を目指す。直径780メートルの小惑星を160メートルの小惑星が回っており、来秋に地球から約1千万キロに接近する。そのタイミングで、重さ約500キロの探査機を小さい方にぶつける。小惑星が崩れたりはしないが、1周約12時間の公転周期が数分短くなるとみられる。

 こうした衝突によって、最終的に地球にぶつからない軌道まで動かすにはどれくらいの力が必要なのか、直前に切り離したカメラや地球上の望遠鏡で変化を詳しく調べる予定だ。計画を主導する米ジョンズ・ホプキンス大応用物理学研究所のエレナ・アダムス博士は「大惨事を防げることを示したい」と語る。

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