キリン、ミャンマーの事業に暗雲 国軍系企業が合弁会社の清算を申請

ミャンマーはいま

ヤンゴン=福山亜希
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 ミャンマーの国軍系複合企業が24日までに、キリンホールディングス(HD)との合弁会社で、現地のビール最大手「ミャンマー・ブルワリー」の会社清算を裁判所に申し立てた。キリン側は国軍による2月のクーデター後、合弁を解消したうえで事業を続ける方針を示していたが、清算の申し立てが認められれば、計画の見直しを迫られることになる。

 国軍系の複合企業「ミャンマー・エコノミック・ホールディングス・リミテッド」(MEHL)の代理人が国営紙に申し立ての公告を掲載した。審理は12月10日から始まる予定だが、司法は国軍の統制下にあるため、MEHLの意向が認められる可能性は高い。

 キリンは2015年にミャンマー・ブルワリーに51%を出資し、子会社化したが、クーデター後の2月5日、「ビジネス規範や人権方針に根底から反する」としてMEHLとの合弁を解消すると発表。MEHLに持ち分を売却してもらい、新たな出資先を探して現地でのビール事業は続ける計画だった。

 だが、合弁解消の協議は進まず、国軍に反発する市民が不買運動を起こすなどして事業環境も悪化。ミャンマー・ブルワリーの21年1~9月期決算は、売上高にあたる売上収益が前年同期比で40・9%減の143億円だった。

 清算の申し立てを受けてキリンは24日、「申し立てが認められた場合、清算手続きが公正・適正に行われることへの疑義がある。申し立ての却下を求め、あらゆる適切な措置を講じる」とのコメントを出した。

 MEHLは傘下にビール会社のほか、銀行など複数の企業を持つ。株式は国防省のほか国軍幹部らが個人で保有し、国軍の資金源になっているとされる。(ヤンゴン=福山亜希)